※今回はシリアスな内容です。
笑いは含まれておりませんのでご了承ください🙏
私がまだ看護学生だった頃のお話です😌
おそらく2年生で19才くらいだったと思います。
成人看護学実習で3週間の臨地実習でした🏥
私が担当させて頂いたのは、
Aさん、60代くらいの女性で
末期の肝臓がんでした。
転移により腹水が多量に貯留し、
臨月の妊婦さん以上にお腹がパンパンでした。
妊娠経験のある方なら分かると思いますが、
お腹が出ていると普通に横にはなれません🙅
腹水で身体が圧迫されてしまうからです💧
Aさんはいつも少し横向きになるか、
ギャッチアップ(ベッドの頭を少し上げる)して過ごされていました。
寝ていてもしんどい🛌
動いてもしんどい🚶
食べてもしんどい🍴
今改めて思い返すと、
すごく辛い闘病生活だったと思います。
それなのに、学生の実習担当を受け入れてくださいました。
学生なので
情報収集するため、記録をするために
アレコレとたくさん聞かなければなりません。
それなのに、
Aさんは優しい方だったという記憶しかありません。
終末期の患者さんの多くは、
積極的な治療ではなく苦痛緩和の治療をします。
それを“対症療法”と言います。
Aさんは、腹水貯留の苦痛を緩和するために
定期的に腹水ドレナージをしていました。
※お腹に管を刺して腹水を抜くことです。
ゆっくりと1㍑〜2㍑くらい抜いていました。
やはりドレナージすると多少ラクになるようで、
そのタイミングを見計らって体拭きなどのケアを計画していました😊
腹水ともう一つよくある症状が
全身の痒みです。
昔はよくハッカ油(スッとするヤツ)をお湯に入れ
『ハッカ油清拭』をしていました。
※ハッカ油で体を拭くと一時的に痒みが緩和されます。
私は学生ながらに
毎日必死に出来ることを考え
記録をまとめ
一生懸命にケアをしていました。
そんな私にAさんはいつも優しい言葉をかけてくれていました。
実習2週目くらいの朝。
学生担当のナースと学校の先生に呼ばれました。
え、なんだろう?
先生「いもさん、落ち着いて聞いて下さい。」
私「?? はい。」
先生「Aさんが夜中に急変されて、今さっき息を引き取られました。」
私「 え⁉️」
私が初めて【患者さんの死】を経験した瞬間でした。
先生「今から※エンゼルが始まります。」
「いもさん、どうしますか❓」
私「 え❓ 」
ナース「時間が無くて申し訳ないけど、エンゼルを経験する気があるならサポートします。」
Aさんが? エンゼル??
だって、昨日まで普通に話をしていたのに?
「明日もよろしくね」って言ってくれたのに?
なんで…。
私はすぐ答えられませんでした。
学生の経験したい実習項目の中にはエンゼルが入っていました。
私「入ります。」と無意識で答えていました。
ナース「じゃぁ、すぐ来て!!」
エンゼルは時間との戦いです。
初めての予防着(キャップとガウン)を着て
手袋とマスクを付けて準備完了。
ナース「大丈夫❓」
私「 はい。」
そして促されて病室へ。
その後の記憶はありません。
ちょうどその日は中間カンファレンスがある日でした。
学生みんなで現状の計画・実践した看護について等を発表し合います。
みんなの発表が終わり、私の番になりました。
あ、私も
発表しないと…
実施したケアを話さないといけないのに
なんか、
上手く声が出ない。。。
ダメだ、
どうしても
Aさんの顔が浮かんできてしまう…
込み上げる気持ちが抑えきれず、
カンファレンスの最中に
私はただ泣き崩れました。
どういう涙だったのかは、
自分でもよく分かりませんでした。
病院は
何が起きてもおかしくはない場所であることを
私は体感しました。
そして時が経ち
看護学校を卒業後、
私はAさんと出会った病院に就職しました🧑⚕️
学生の間にエンゼルを経験することは稀です。
Aさんが居た病室を見ると、
あの時の事が思い出されます😌
もっとラクにしてあげる方法があったのではないか、
もっと気の利いた声かけが出来たのではないか、
もっと何か出来ることがあったのではないか、
私が異変に気づいていなかったのではないか、
という考えは尽きません。
でも、
そういう思いを持つことが大切なのではないかと思います。
Aさんは、私に“経験”で色んなことを教えて下さいました。
だから、私はAさんのことは忘れません。
※エンゼルについてはコチラです⇩⇩⇩oimo-chan.hatenablog.com
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